国際『馬』交流展

【トルコ】

(2014年5月)

 サラブレッドの3大始祖の一頭、1680年生まれのバイアリーターク。我が国では1960年生まれのパーソロンから七冠馬シンボリルドルフ、その仔トウカイテイオー、また三代続く父内国産の天皇賞馬であるメジロアサマ、メジロティターン、メジロマックイーンらがその血を引いている。
 ターク(Turk)とあることから、トルコ産と思われがちだが、当時、トルコ経由で輸入された馬は全てタークと名乗っていたため、実際の産地は明確ではない。しかし東西文化の交わるトルコが優秀な馬の産地であったことは紛れもない事実。タークの名を持つサラブレッドに芦毛のブラウンローターク(生年不詳)もいる。芦毛は父母のどちらかが芦毛でないとその毛色を伝えないが、ブラウンロータークはオルコックアラビアンとともに現在の芦毛馬の元祖と考えられている。

 因みに世界遺産でもあるカッパドキアはペルシャ語のカッパッゥカに由来し、その意は「名馬の産地」。三国志に登場する名馬・赤兎馬は「汗血馬」といわれているが、この「血のような汗を流して走る」汗血馬もトルコ産。

 少なくとも近世まではタークは馬の世界ではブランドだった。しかし現在、トルコ競馬は最高格とはいえない「パートⅡ(国際セリ名簿基準委員会)」に属し、国際GⅠ競走は行なわれていない。だがアンカラ、イズミールなど主要8都市8競馬場ではナイターを含めほぼ毎日競馬が開催されるようになってきた。更には国際化に向けイスタンブールのヴェリエフェンディ競馬場では2009年から「トルコジョッキークラブ国際騎手招待レース」が行われ、日本からは武豊騎手らが招待されている。

 明治天皇もトルコ馬に大変興味を持っていた。明治23年におこったエルトゥールル号座礁海難事故を機にトルコと日本は極めて友好的な関係となるが、明治28年、トルコは明治天皇にトルコ馬を献上している。


  
    

[工芸品]


トロイの木馬

CINARの絨毯(SILK ダブルノット 12×12)