国際『馬』交流展

【スペイン】

(2004年8月)

 2004年は馬をテーマにしたハリウッド映画の当たり年である。その代表は「シービスケット」であり、「オーシャン・オブ・ファイヤー」。
 「(SEABISCUIT)シービスケット」は主人公のサラブレッドの馬名であるが、「オーシャン・オブ・ファイヤー」は日本でのタイトルが変わってしまった。原題は「HIDALGO(ヒダルゴ)」。ヒダルゴは斑模様も持つムスタング。ムスタングとは、スペインを発祥とする雑種の野生馬で、「スペインの下級貴族」という意味。

 中世、スペインは七つの海を支配したが、馬産においても世界中に大きな影響を及ぼした。これはスペイン南部を原産地とし、12~17世紀の間、馬産の世界において最高の地位を占め、そのスピードと優雅さはヨーロッパの王侯貴族の賛嘆の的となった「アンダルシアン」の功績に負うところが多い。ヨーロッパの有名な馬種の殆どに影響を及ぼし、アメリカにはコロンブスの第2回航海の時に上陸、あらゆる在来馬種に影響を及ぼした。
 因みにインカの人々は始めて見る「アンダルシアン」に驚き怖れ、戦わずして敗れたと言われている。「ヒダルゴ」も当然、この血を受け継ぐ駿馬である。

題名は「ルンタ」  後援はエルメスである。
アンダルシアン
 
 1572年に開設された白馬による古典馬術の殿堂「スペイン乗馬学校」の所在地はスペインではなくオーストリアのウィーン。
 これは16世紀から17世紀にかけて世界帝国を築いたハプスブルグ王朝のカール6世が、スペインの「アンダルシアン」を種馬として導入し、現在のリピッツァ種が確立されたことに由来する。


スペイン乗馬学校の絵葉書

         

  [工芸品]


アンダルシア地方グラナダで入手した陶器の馬像

     

 [馬切手]