国際『馬』交流展

【中国】

 中国4000年の歴史と言われるが、人と馬が共生するようになってからも、ほぼ同じ年月が流れている。中国の歴史の名脇役として馬は欠かせない。戦(いくさ)のみならず、唐三彩や置物、画の題材としても広く用いられ、まさに文化である。
 因みに、部首に「馬」が使われている漢字は100を超えている。但し、日本の小学校で習うのは「駅」と「験」の二つだけ、常用漢字では、「駆」「駄」「駐」「騎」「騒」「騰」「驚」、人名に用いられるものとしては「駿」「駒」だけだが・・・・。
 更に、「塞翁が馬」といった馬に関わる中国の故事も数え切れない。村松暎氏監修「ウマから生まれた馬の本 中央競馬PRセンター編 1990年発行」からいくつかを紹介しよう。

◆天高く馬肥ゆる秋 ⇒ 我が国では実りの秋で食べ物が美味しい季節と解釈されているが、本来は「たくましくなった馬で攻め込んでくる強暴な匈奴(北方異民族)に備えるため、国境の警備を強化すべき季節になった」ことを意とし、警告的な意味で用いられていた。

◆愛する所には駑馬(どば)を相するを敎う ⇒ 古代中国の馬を見分ける名人伯楽は、愛するものには駑馬(劣った馬)の見分け方を教え、愛さぬものには駿馬の鑑定法を教えたとの「韓非子」の故事に基づく。要は、滅多にいない駿馬の鑑定法より、駑馬の鑑定法の方が役に立つの意。

◆敢えて後れたるに非ず、馬進まざるなり ⇒ 出典は「論語」。魯の大夫猛之反が、味方の退却のとき殿を引き受け、出来るだけ遅れて見方の退却を助けた。その功を人が誉めた時、「わざと遅れたのではない。馬が進まなかっただけだ」と謙遜した故事に基づく。

◆馬を牛と言う ⇒ 人の心中を悟ることのたとえ。孔子が弟子たちと道を歩いている時、馬が垣根から顔を出しているのを見て孔子が「牛だ」と言った。この時、弟子の顔回だけが、「午が顔を出せば牛になる」の意を悟ったという。「一を聞いて十を知る」の馬版?

  

  [工芸品]


唐三彩

翡翠製置物

内画鼻煙壺

印鑑

唐昭陵六駿 


蕪湖鐵畫

     

 [馬切手]

 
唐三彩

奔馬
 
昭陵六駿(盛世瑰寶)什伐赤


昭陵六駿(盛世瑰寶)青騅

昭陵六駿(盛世瑰寶)挙毛馬

    

 [馬切手(台湾)]


清郎世寧 故宮名画 百駿図(一~五)

    

 [午年の年賀切手]

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